チョコレートと言えば、通常、茶色を思い浮かべますが、ご存じの通り、色の白いものもあります。ホワイトチョコレートです。ホワイトチョコレートの白さの秘密は、その製造過程に隠されています。
カカオ豆はもともとカカオポッドという果実の中にあり、収穫後に発酵と乾燥のプロセスを経ます。この発酵と乾燥のプロセスにより、カカオ豆はその特有の茶色を帯び始めます。さらに、カカオ豆をチョコレートに加工する過程で、豆を焙煎することが一般的です。焙煎により、豆の内部の糖分がカラメル化することで色が濃くなり、豊かな風味が引き出されます。
チョコレートの最終的な色は、使用されるカカオ豆の種類、焙煎の程度、そして製造過程で加えられる他の成分(例えばミルクや砂糖)によっても変わります。ダークチョコレートはより濃い茶色をしており、これはカカオの比率が高く、焙煎も強めに行われるためです。一方、ミルクチョコレートはカカオの比率が低く、ミルクパウダーや砂糖が多く加えられるため、より明るい茶色をしています。
ホワイトチョコレートの主要成分は、ココアバター、砂糖、そして乳製品です。ここで重要なのは「ココアバター」の存在です。ココアバターは、カカオ豆から抽出される脂肪分で、自体は色がほとんどありません。このため、ココアバターを主成分とするホワイトチョコレートは、茶色いカカオ固形分を含まないために白くなります。茶色いチョコレートにもココアバターは含まれていますが、ホワイトチョコレートほどの割合ではありません。
ホワイトチョコレートの製造は、カカオ豆を発酵させ、乾燥後に焙煎します。その後、カカオ豆は粉砕されてカカオマスとなり、この過程でココアバターが分離されます。茶色いチョコレートと異なり、ホワイトチョコレートの製造にはカカオ固形分を加えず、ココアバター、砂糖、乳製品のみを使用します。これがホワイトチョコレートが白色を帯びる主な理由です。
ホワイトチョコレートは、ココア固形分が含まれないため、カカオの豊かな風味は控えめで、代わりに乳製品のクリーミーさや砂糖の甘さが前面に出る特徴があります。苦い味わいが好きな人には物足りないかもしれませんが、ホワイトチョコレートのファンにとっては、その甘さとクリーミーさが魅力です。