タイガー&ドラゴン
画像: The Movie Database

タイガー&ドラゴン

2023/10/15
Title

欠点のある主人公が何かに熱中して成長していくというストーリーは王道だが、その多くは競技性のあるものだ。スポーツや囲碁、将棋など。スポーツでは目指すのは優勝という一点に絞られている。このドラマでは、もちろん主人公が落語を上達させて前座から真打に上がっていく、という目標はあるものの、それは後からついてくるものであり、一番の動機は、「面白くなりたい」というものである。なので、「優勝を目指して頑張る!」という必死さは薄いが、スポーツものにありがちな、「県大会で優勝してから全国大会へ」という同じような展開が続くマンネリ化はなく、毎回あきさせない作りになっている。

古典落語の落ちにしっかり沿って毎回ドラマに落ちが作られているので、全十二話を見ると、12 話分の古典落語を知った気になれる。もちろん、古典落語をそのまま聞くのが一番だという意見はあるが、作り替えて時代に合わせて行かなければ、伝統そのものが忘れ去られてしまう。

サンクチュアリとの類似点

サンクチュアリは、スポーツの相撲を題材にした成長の物語。主人公は家庭環境が悪く、最後の賭けとして相撲部屋に入門し、そこで成長していく。 一方、タイガー&ドラゴンでは、主人公は親を亡くし、ヤクザの一員として荒んだ生活を送っている。ある日、借金の取り立て中に、ある男が落語で人々を笑わせているのを目撃し、それまで人を怖がらせることしか知らなかった彼は、人を笑わせたいという新たな目標を見つけます。そこで、彼はその落語家の弟子となる決意をします。

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