皆さんは飛行機の中で何を食べますか?何を飲まれますか? そして、なんか飛行機の食事はいまいちだな、などと感じたことはありませんか? フライト中の環境は、味覚に悪い影響を与えることが分かっています。原因は主に 3 つあります。騒音・低気圧・乾燥です。順番に見ていきましょう。
騒音の中では、甘みが感じにくくなり、うまみが感じやすくなる(酸味、苦み、塩見は変わらない)という研究結果があります。トマトジュースは、上空で飲まれる飲み物の 24%を占めているそうです。また、1000 人を超える調査によれば、23%の人が地上ではトマトジュースを決して飲まないのに、飛行機では飲むと回答したそうです。 理由は、トマトジュースにはうまみ成分が多く含まれており、上空ではうまみを感じやすくなるからです。なので機内食では、砂糖と塩の量を増やしてい甘みを感じやすいようにしているそうです。その分カロリーが高くなっているので、機内食でのカロリーの取り過ぎには注意が必要です。 騒音と味覚の関係の話は、映画館でも聞かれます。映画館のポップコーンは普通のポップコーンよりも濃い味付けがされているらしいです。
飛行機の気圧はだいたい高度 1800m から 2500m くらいの大気の圧力と同じくらいになるように調整されています。そのような環境では、甘さ、酸っぱさ、苦さを感じるのが難しくなります。 また、空気圧が下がると、芳香分子が揮発しにくくなり、匂いを感じづらくなります。鼻をつまんでものを食べると味がよく分からなくなるように、嗅覚は味覚に大きく影響を与えるので、匂いをあまり感じないと、味が薄いと感じてしまいます。 あるワイン評論家は、標高が高い地域(アルゼンチンなど)で造られたワインは、地上で飲むよりも飛行機の中で飲む方が美味しいといっています。理由は、高地の環境が機内の環境と似ているからだそうです。
飛行機内の空気は乾燥しており、20%を下回ることが多いです。空気が乾燥すると、鼻の中が乾燥し、低気圧と同じように芳香分子を取り込みにくくなるので、味を感じづらくなります。あるシェフは、だったら、機内での食事の前には、鼻に水のスプレーを吹きかけて湿らせたらいいんじゃないか、と言っているようです。
こういったことが分かってきたので、機内食もおいしさを追求して進化しているそうです。皆さんも飛行機の中での食事をお楽しみ下さい。あと、是非上空でトマトジュースを味わってみて下さい!