ベビーパウダーは、主に乳児のおむつかぶれや肌の摩擦を防ぐために使用される粉末状の製品です。この製品は水分を吸収し、肌の湿度を適度に保ちながら、皮膚の表面を滑らかにすることで、肌の摩擦を減らし、あせもの発生を抑えます。ベビーパウダーは、タルク（鉱物由来）またはコーンスターチ（植物由来）を主成分としています。長年にわたり、ベビーパウダーは乳幼児のケア製品として広く使用されてきましたが、成分や安全性に関する議論も存在します。
ベビーパウダーの商品はパフ付きやパフなし、缶入りや持ち運びに便利なシェーカータイプなど、様々な形態があります。日本では「シッカロール」という名称の製品もあり、これは国内初のベビーパウダーとして知られ、乾燥を意味するラテン語「シッカチオ」から名付けられました。
タルクは天然の鉱石で、粉砕してベビーパウダーの主成分として使われます。タルクはその吸湿性と柔らかさで知られ、肌の摩擦を減らし、かぶれを防ぐのに効果的です。しかし、タルクにはアスベストが含まれる可能性があり、アスベストは発癌性物質として知られています。そのため、タルクベースの製品は、アスベスト非含有であることを保証するために厳しく規制されています。
過去には、滑石から作られたベビーパウダーにアスベストが混入していた事例があり、これが健康上の懸念を引き起こしました。そのため、現在、日本では厚生労働省によって定められた不純物混入試験をクリアした滑石のみが原料として使用されています。
アメリカでは、ベビーパウダーの使用と卵巣がんの発症との関連をめぐる訴訟が増えており、一部では製造メーカーが敗訴するケースもあります。これらの訴訟は、特に長年にわたり女性器にベビーパウダーを使用した女性が対象となっています。このような背景から、北アメリカでは消費者の行動変化や発がん性をめぐる懸念により、ベビーパウダーの売り上げが減少しています。
コーンスターチベースのベビーパウダーは、アレルギー反応や健康への潜在的なリスクが少ないとされる植物由来の代替品です。吸湿性が高く、肌を柔らかく保つ効果がありますが、タルクほどの吸湿性はありません。それでも、アスベストの懸念がないため、多くの親がこのタイプのベビーパウダーを選んでいます。
