ハワイにはハチドリが生息しておらず、輸入や持ち込みも禁止されています。今回は、その理由についてのお話です。
ハワイの特産品と言えばパイナップルですよね!今のフルーツは、種なしぶどうに種なしみかん、などなど種なしが人気ですが、パイナップルも種なしが主流です(というか、私たちのほとんどは、種なしのパイナップルしか食べたことがないと思います)。パイナップルに種があると商品としての質が落ちてしまいます。
種なしパイナップルは、パイナップルの木の新芽の部分を切り取って、苗のように植えて増やしています。ハチドリはパイナップルの花の蜜がとっても好きです。(パイナップルの花が成長したものが、私たちがよく目にする、パイナップルの実になります。)
ハチドリはスズメくらいの大きさの、可愛くてきれいな鳥です。特技は羽ばたいて空中で止まったまま、花の蜜を吸うことです。自然界では、ハチドリが次々に色んなパイナップルの花の蜜を吸いながら飛び回り、その結果パイナップルの受粉を助けていますが、人間によって管理された環境では、それが裏目に出てしまいます。わざとパイナップルを受粉させていないハワイにハチドリがいたら、せっかく作っていた種なしパイナップルが受粉して種ありパイナップルになってしまうからです。
なので、パイナップルが主要な輸出作物となっているハワイでは、ハチドリの国内へのもちこみを禁止してパイナップル同士の受粉を防止しています。 このように徹底してパイナップルの受粉を防止しているハワイでも、時々他の農地の品種が違うパイナップルの花粉がハチなどによって運ばれてしまって、受粉が起きていることがあります。そんな時は、皮と果肉の間の部分に褐色のゴマのような種ができます。もちろんこれを土にまけばちゃんと発芽します。もし、次にパイナップルをまるごと買って切り分ける時があったら種を探してみてはいかがでしょうか?