花崗岩と私たちの身近な放射線
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花崗岩と私たちの身近な放射線

2023/4/24

花崗岩は御影石とも呼ばれ、墓石や建物などによく使われます。 花崗岩にはカリウム、ウラン、トリウムなどの放射線同位体が多く含まれているので、放射線が出ていることが多いです。

ウランやトリウムは固体ですが、それらが崩壊してラドンという元素になると、気体になり、肺から体内に吸入してしまう恐れがあります。なので、花崗岩が多く含まれる洞窟や石造りの建物では、換気をした方がいいです。ちなみにラドンは重い元素で下にたまりやすいので、そこも考慮して換気をするといいでしょう。

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海外は石造りの建物が多いのでラドンなどの吸入による被曝量が比較的多いです。日本は木材建築が多く換気もしやすいため、吸入による被曝量は少なめです。しかし海産物を多く食べるため摂取による被曝が多くなっています。

そして、花崗岩は、私たちの住んでいる地面の下にもあるので、私たちはみんな、地面から出ている放射線浴びています。関西地区では花崗岩が多く存在するので、関東地方より平均被ばく量は多くなっています。御影石は、岡山県や香川県、宮城県などが主な名産地です。

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日本人の一年間の自然放射線(食品、宇宙線、ラドンなどの吸入、大地など)の平均被曝量は、年間 2.1 ミリシーベルトです。

地面に埋まっている花崗岩から放射線が出ているなら、あんまり地上にいない方がいいんじゃないか?と思います。しかし上空に行けば行くほど、宇宙線という放射線を浴びやすくなります。飛行機に乗ると放射線の被曝は多くなるのはこれが理由です。 宇宙線は宇宙を飛び交っている放射線で、地球にもたくさん飛んできています。しかし地球には大気があるので、宇宙線から私たちを守ってくれているというわけです。

放射線といえば原爆、原子力発電や X 線撮影(レントゲン撮影)などの特殊な場合がすぐに思い浮かばれますが、同時にもっと私たちの身近にある物でもあります。

参考資料

  • 放射線について考えよう。 ---多田将 ---2018
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