今回は、みなさんが一着は持っているであろうジーンズの歴史を紹介します。1848 年、アメリカのカリフォルニア州で金(きん)がとれることが分かり、人々がカリフォルニアに一攫千金を狙って金を掘り当てるために殺到しました。この出来事をゴールドラッシュといいます。このゴールドラッシュのときに、土を掘る際に破れにくい丈夫な作業着としてジーンズが登場しました。当時、Levi's(リーヴァイス)は、すり切れやすい所を金具で補強したのジーンズの特許をとり、大成収を収めました。リーヴァイスは、今日までジーンズの代表的なメーカーとなっています。皆さんもこのロゴを見たことはあるかと思います。そしていつしか、ジーンズは一般的な労働者が着る作業着として定着していきました。
月日が経ち 1960 年代、ベトナム反戦運動や公民権運動などを背景として、これまでの社会のあり方をひっくり返したいという反体制的な文化が盛り上がりました。カウンターカルチャーです。代表的なものとしては、LSD(麻薬)、ボブディラン、ロックミュージックなどがあります。こうして世界が自由主義へと移行していく中で、社会的な立場が低い労働者が履いていたことで「自由・反抗」の象徴ともなっていたジーンズをアメリカのカウンターカルチャーの人々が身につけるようになりました。 そこから一般の人々もジーンズを履くようになり、アメリカから世界へと広がっていきました。
ロックンロールの歌手達の多くはジーンズを履いていました。レコードのカバー写真に、歌手がジーンズ姿で登場するのは、ボブディランの 1963 年のこのレコードが最初なようです。 このようにジーンズは、ゴールドラッシュからカウンターカルチャーの時まで、多くの人々の夢と希望と一緒に履き継がれていきました。