海外では、冷蔵の牛乳の他に、ロングライフ牛乳と呼ばれている牛乳が常温で売られています。ヨーロッパ、アメリカはもちろんのこと、中国やブラジルでは、ほとんどの牛乳は常温で売っているそうです。ロングライフ牛乳は主に大きいペットボトル容器か、内側をアルミニウムでコーティングされた紙パックで売っています。冷蔵されている紙パック牛乳が当たり前の私たち日本人にとっては、「常温?添加物が入ってそう」とか「まずそう、、、」と思ってしまいます。しかし、よく調べてみると面白いことが見えてきます。
牛乳の殺菌方法は、大きく分けて 3 種類あります。そして種類ごとに、さらに細かく分かれています。
65℃ くらいで 30 分くらい加熱して殺菌
75℃ くらいで 15 秒くらい加熱して殺菌
120 ~ 150℃ で1~3秒加熱して殺菌 今回は、3番目の超高温殺菌がテーマです。
そして、超高温殺菌の中には、2 つの方法があります(低温殺菌、高温殺菌にもいくつかの種類に分かれていますが、省略しています)。
・超高温瞬間殺菌法(UHT法:Ultra High Temperature) 120 ~ 150℃ で1~3秒加熱。殺菌低温殺菌や高温殺菌では残ってしまう菌もほぼ完全に死滅させることができる。 ・超高温滅菌殺菌法(LL法:Long Life) 135 ~ 150℃ で1~3秒加熱。そして、光と空気を遮断できる密封容器に無菌的に充填する。常温で長期間保存することができる。 超高温瞬間殺菌(UHT法)は、日本で売られている牛乳の 9 割に使われている殺菌方法です。
一方、超高温滅菌殺菌法(LL法)は名前の通り、ロングライフ牛乳(LL牛乳)に使われている殺菌方法です。ロングライフ牛乳には他の牛乳と同じく保存料等は添加されていないので、添加物については心配することはありません。そして開封後は他の牛乳と同じく冷蔵庫で保管し短期間で飲みきる必要があります。私たち日本人が飲み慣れているものよりも高い温度で殺菌をしているので味や風味は違うかもしれませんが。ロングライフ牛乳は、衛生管理が大変といったデメリットもありますが、常温で運べるので輸送コストが安く済むというメリットもあります。
なんで色んな国でロングライフ牛乳が主流なのに日本では定着しなかったの?と思い、その理由について調べてみました。しかし信憑性の高そうな情報は見つけられませんでした。ただ、現在の日本では、牛乳は冷蔵=新鮮という価値観が定着してしまっているので、もし今後LL牛乳を普及させようとしても、かなり難しいということは言えると思います。