今回は、メリーゴーランドの起源について書きます。
いきなりですが、「トーナメント」って、
こういうやつですよね。
トーナメントの元々の意味は中世の騎士達が行った「馬上槍試合」です。「馬上槍試合」とはその名の通り、馬に乗って1対1で槍を使って戦う競技です。
現在、日本においては、「トーナメント」という言葉は上の写真のような試合形式のことを指しますが、これは中世の馬上槍試合の中で行なわれる一騎打ち戦の形式のみが現在に伝えられているからだそうです。
馬上試合の開会の際の最大の呼びものとは、試合に集まったすべての騎士と士官が、貴婦人たちを護衛しながら彼女たちを城から試合場に迎え入れ、また、彼女たちと観客への挨拶代わりに試合場をぐるりと行進することだった。
-- (中江 桂子『スポーツマンシップの起源』 p53)
ぐるりと行進する、とあります。これがメリーゴーランドのもとになりました。
トーナメントという言葉は、ラテン語の「tournus(回転盤)」に由来します。一番盛り上がるこのイベントが馬上槍試合の名前として「トーナメント」になりました。
普段はなかなかお目にかかれない貴婦人や騎士たちの壮麗な姿を庶民はこのときだけは目にすることができたのであり、そのまばゆいばかりに着飾った行列の行進こそ、のちにメリーゴーランドの原型となった。
-- (中江 桂子『スポーツマンシップの起源』 p53)
馬上槍試合はこのような最高の入場イベントで始まり、その後に試合がおこなわれました。オリンピックの開会式の入場行進みたいなものをイメージすると分かりやすいかもしれません。
今ですら、まだまだ遊園地の定番であるメリーゴーランドである。まして中世において、本物のメリーゴーランドがどれだけ人々の関心と想像力を煽ったかは、今では計り知れない。
-- (中江 桂子『スポーツマンシップの起源』 p53)
今度遊園地に行き、メリーゴーランドに自分が乗るときには中世の騎士や貴婦人のことを思い起こして楽しんでみてははいかがでしょうか。そしてメリーゴーランドに友達や家族が乗っているのを見るときは、中世の庶民ことを思い起こして、当時の人々がみていた景色を想像してみてはいかがでしょうか。
(メリーゴーランドの起源については、馬上槍試合の練習を、柱を中心に紐で馬をつなぎ、その周りを回転しながら行なっていたのが元である、という説など、様々なものがあります。)