石膏は硫酸カルシウムが主成分の鉱物です。今回は石膏の用途を紹介します。
石膏は古来から多くの彫刻に使われてきました。しかし、水に溶けてしまうので、主に屋内の彫刻に使われています。現在は、美術品のレプリカや、美術学生用の手本の彫刻などに使われています。ミケランジェロのダヴィデ像の複製品なども石膏でできているそうです。
石膏は耐火性、防音製に優れているため、板状にして、石膏ボードとして建築にもよく使われています。ちなみに、石膏の砂は、日中に太陽が当たっても熱くならないそうです。
骨折したときに腕を固定しておくときに使われるギプスは、焼き石膏を含んだ包帯でできています。1800 年代に、焼き石膏の包帯が使われるようになり、その後、骨折を治療する標準的な方法となりました。
豆腐の凝固剤にはよくにがりが使われます。凝固剤には他にも様々なものがありますが、その一つが石膏から作られる硫酸カルシウムです。海水から取れるにがりは、海に囲まれている日本では豆腐の凝固剤としてよく使われてきました。しかし日本が第二次世界大戦に参戦すると、にがりは軍事用に調達されるようになりました。というのは、にがりに含まれる塩化マグネシウムが戦闘機などを作る際の金属加工に必要で、軍事物資に指定されたためです。
このような背景により、豆腐に使うにがりが不足した結果、代わりのものとして硫酸カルシウムが使われるようになりました。現代では、海由来のにがりは健康に良さそうと言うことで、凝固剤に硫酸カルシウムはあまり使われていません。
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