皆さんは、一般の兵士とその隊長のどっちの方が死亡率が高いと思われますか?隊長の方が死亡率が高いといわれています。というのは、隊長は一般の兵士達を先導する役なので、自分が先頭を切って戦わなければいけないからです。隊長がもっと上の位に昇進して本部で作戦を練るような立場になると、死亡率は低下します。ちょうど真ん中の立場の人が死にやすいということですね。
第一次世界大戦の時の実際の映像と証言を編集した映画『彼らは生きていた』では、訓練を終えたイギリスの兵士の 1 人が、船でヨーロッパの戦地に向かうときにこう言っています。「下士官(かしかん、兵の一つ上の位)の犠牲者が多かったので、昇進は嬉しくなかった。だからトイレで袖章を外し窓から投げ捨てた。」 一般兵の中でも、下司官が死にやすいという情報は広まっていたのでしょうか。また『将校の死傷率からわかる日露戦争の実態 荒木肇』のサイトによると、日露戦争では突撃単位が大隊だったため、、歩兵少佐(大隊長)と大尉(中隊長)の死亡率が高かったそうです。(戦死して名誉進級した位も含まれている可能性もあるようです。) 以下、引用させて頂きます。
全体でみれば、歩兵科将校の15%が死んでいます。(略)日露戦争全体を通じても、歩兵兵卒の戦没率は10%であり、各科兵卒でみれば同8.8%にしかならない。『戦線に到着した補充の新品歩兵少尉たちは平均10日で死ぬか、負傷して後送される』といった言葉がやりとりされていた前線。聯隊旗手までも次々と倒れ、中隊長の大尉が死に、代理の中尉がすぐに撃たれる。代わりに立った少尉は突撃を下令した瞬間に狙撃される。これが日露戦争の野戦の実態だったようです。
-- 将校の死傷率からわかる日露戦争の実態
隊長が死にやすいという現象は、企業のサラリーマンでも同じだと思います。 中間管理職が一番ストレスがかかるという話は良く耳にします。昇進して仕事が増えた中で潰れてしまうこともあります。会社での昇進はいいこともありますが、このようなデメリットもあるかもしれません。