このドールハウスは、子供のおままごと用のおもちゃではありません。大金をかけて作られており、大人用です。作ったのはフランス生まれで、オランダのアムステルダムで働いていた職人といわれています。委託したのは、裕福な商人の妻である Petronella Oortman です。一つ一つの家具は、実際の家具を元に正確な縮尺で作られています。ドールハウスのキラキラした外枠は、ピューターと呼ばれるすずを主成分とした金属と亀の甲羅から作られています。
キッチンに飾られた中国の磁器は、中国のオランダ東インド会社から Petronella が特別に取り寄せたそうです。一番左上の部屋にかかっているのリネン(生地)には彼女のイニシャルが織りこまれています。 すべてが正確に作ってあるので、このドールハウスからは 実際の 17 世紀のヨーロッパの裕福な生活がどんなものだったのかがわかります。ドールハウスにかかった金額は 3 万フィレンツェで、当時のアムステルダムの実際の家と同じくらいの費用でした。